ハースストーン・レジェンドランクを目指す 第一回 〜 HSReplayを使ってみよう 〜

ハースストーンとは

ハースストーン はBlizzard Entertainmentが開発するデジタルカードゲームで、2014年にリリースされて以来世界で1億人以上がプレイしています。

カードのデザインは、Blizzard Entertainmentの有名なタイトルであるウォークラフトシリーズの世界観に基づいていています。

下のように、簡潔なテキストのカードが多いですが、それらが複雑に相互作用し、奥深いゲーム性を生んでいます。

また、2020年の世界選手権では日本人選手のglory選手が日本人で初めて優勝し、翌年にもposesi選手が優勝するなど、日本人選手の活躍が目覚ましいタイトルでもあります。

現在人気なゲームモードは、上述のカードゲーム以外にもあり、それはバトルグラウンドです。

8人が同時に対戦するオートバトラー系のゲームで、一試合ごとに異なる展開を楽しめるので自分でプレイするだけでなく観戦するのも楽しく、Twitch等の配信でも人気のあるゲームモードです。

今回は、ハースストーンを楽しむ上で役に立つサービスである HSReplay.net を紹介します。

 

HSReplayでできること

HSReplayは、大きく分けて2つの機能をもっています。

1つ目は、Hearthstone Deck Tracker(デッキトラッカー)です。これは、自分のつくったデッキのリストを保存する、試合中に自分や相手の使ったカード、山札の状態を表示する、自分の対戦の履歴を保存し、統計としてまとめる等の機能があります。

よりよいプレイングを目指すには、使ったカードや山札に残っているカードを覚えておく必要がありますが、その負担から解放されるので、とても便利なツールです。

2つ目は、デッキトラッカーで集めた情報を統計として提供することです。あるデッキの特定のランクにおける勝率、個々のカードの統計情報、ランク毎のデッキの使用率等たくさんのデータを確認することができます。

デジタルカードゲームは、統計学との相性が良いゲームです。試合ごとに、それぞれのプレイヤーがどういうデッキを使ったのか、その試合であるカードを使ったかどうか、引いたかどうか等を簡単に記録でき、また、たくさんのプレイヤーのデータを収集するのも紙のカードゲームと比べれば容易です。HSReplayは、そのデータを収集する役割を担い、統計を提供するサービスです。

 

HSReplayを使ってみよう

まずは、HSReplay.net を開いてみましょう。日本語で表示されていない方は、上のメニューバーの地球儀のマークをクリックすると、表示する言語を変えることができます。

ここでは、Tierリストを見てみましょう。メニューバーのメタをクリックします。

すると、たくさんのデッキが表示されているのが確認できます。

Tierリストはあるランクで勝率の高い順番にデッキの種類(アーキタイプ)を並べて表示しています。

 

デッキトラッカーのインストール

メニューバーのダウンロードをクリックします。その後、使っているOSに合わせたものを選んでダウンロードできます。

インストール後、英語表示になっている場合は、上メニューバーよりoptionsをクリックし、左サイドバーからTracker、Appearanceを押し、Languageから日本語に変更できます。

あとは、ハースストーンをプレイ中にこのアプリケーションを起動していると、自動的にトラッキングを行います。

 

HSReplayの機能を確認しよう

メタ では、それぞれのアーキタイプの勝率や、使用率、ゲーム数を知ることができます。

デッキ では、リストごとの勝率やゲーム数を見ることができます。また、デッキをクリックすると、そのリストで使われたカードごとの統計を確認できます。

カード では、カードごとの採用率、デッキの勝率、使用回数等を知ることができます。また、カードをクリックすることで、時系列での使用率、勝率変化や、ターン毎の使用時勝率、使用率を確認できます。

 

データを活用してみよう

上で挙げたページは、次回以降で丁寧に見ていきますが、今回はメタのデータを使って、初心者の方に向けておすすめのデッキの決め方を紹介します。

まず、メタ-クラス別 のページを開きます。自動的に対象期間が直近7日で、ランク帯がゴールドに設定されています。

すると、上の画像のようにクラスごとにいくつかのアーキタイプが表示されます。使用率(ゲーム数)で降順に並んでいます。

ゲーム数が少ないと、勝率が実際の勝率と異なる可能性が高くなります。

これは、いわゆる上振れ下振れが試合数を増やしていくと均されていくことからイメージしやすいです。そこで、次に、ゲーム数が10,000以上ある中から、最も勝率の高いものを選びます。

ランク帯、時期によってはゲーム数が10,000に満たないアーキタイプしかない場合もありますが、多いものを選べばよいです。

上の画像では、獣ハンターが該当します。これをクリックし、人気デッキを選択すると、いくつかリストが表示されるので、最もゲーム数が多いものを選んで使ってみましょう。

 

プレミアム加入のすすめ

一部のデータは、HSReplay.net PREMIUM に加入しないと見ることができません。

初心者のうちは無料で見ることのできる範囲でも問題ないですが、ゲームの内容をある程度理解し、例えばレジェンドランクを目指すためにHSReplayを活用しようとすると、無料の範囲では十分なデータが得られなくなります。

具体的には、ダイヤモンドランクに到達したくらいで、プレミアムに加入しないとデータを上手く活用するのが難しくなります。

もし、データを使ってハースストーンを上手くプレイしたいと思ったなら、加入することを推奨します。

 

最後に

ハースストーンを楽しむために

このコラムでは、デッキやカードの強弱を考えることが多いです。

eSportsという文脈でゲームを語るときには、そのゲームの競技性が注目されますが、ゲームをする目的は人それぞれで、世界観を楽しみたい、好きなデッキやカードを使いたい、レジェンド1位になりたいというように様々考えられます。

勝つことを目標とするときにだけ強弱という側面が重要になるというだけで、他の楽しみ方を否定するわけではありません。

勝率を上げて目標のランクに到達したいけれど、やり方がわからないという人が上げるために取れる選択肢のうちの一つとしてHSReplayがあります。

まずは、ハースストーンというゲームを楽しく遊び、その中で到達したいランクの目標ができたときに、このコラムがその後押しになることを期待しています。

 

まとめ

ハースストーンは、日本人の活躍が著しいデジタルカードゲームです。

デジタルの利点を活かして、たくさんのプレイヤーから大量のデータを集めることができるようになりました。それを支えるのが、HSReplayです。

HSReplayは、デッキトラッカーという便利な機能を提供する代わりにデータを集め、統計として利用可能にしています。

アーキタイプ、デッキリスト、個別のカードといったようにいくつかの階層で勝率、使用率のようなデータを見ることができ、それを意思決定の材料にできます。

 

次回

アーキタイプの選び方を詳しく考えます。具体的には、Tier表の良い点と悪い点、他にどういう指標が考えられるのか、使用率のランク帯による変化から何がわかるか等を考えます。

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