eスポーツのライセンスについて

eスポーツのライセンスと聞いて、あまり耳馴染みのない人もいると思います。今回はeスポーツのライセンスがあると出来ることや、ライセンスの種類、ライセンスを取る方法などについて解説します。

最後まで読んで頂くと、eスポーツのライセンスの概要について理解できると思います。

 

eスポーツのライセンスがあるとできること

近年eスポーツの人気が高まり、認知も広がってきました。ゲームが好きな方はプロのeスポーツプレイヤーに興味を持つことも多いと思います。

 

そこでまず最初に持つ疑問として「プロのeスポーツになるには資格やライセンスはいるの?」という事ですよね。
JeSU(日本eスポーツ連合)は実力があると判断したeスポーツプレイヤーに「プロライセンス」を発行しています。このライセンスはeスポーツ公式とか、全国共通というものではなく、あくまでJeSU独自のライセンスになります。

 

ではeスポーツのライセンスがあるとどのような事ができるのでしょうか。
まず前提の話として、プロのeスポーツプレイヤーになるのにライセンスは必須ではないという事です。

つまり、ライセンスがあろうが無かろうが、eスポーツに関わって生計をたてていればプロeスポーツプレイヤーということになります。

 

ではライセンスは何のためにあるかというと、プロライセンスの所有者は以下の権利を持つことができます。

・JeSU公認の大会にプロとして出場する権利
・JeSU公認の大会で報酬を得る権利(一部を除く)
・JeSU公認の大会で、日本代表として出場する権利

 

つまりライセンスは、JeSUの大会に出場して活動していきたいと思っているeスポーツプレイヤーは取得しておきたい物ということです。

eスポーツプレイヤーとして活動していく上でJeSUとの関わりは必須になってくるので、ライセンスがあると有利にはたらくのは間違い無いですが、無くてもJeSUに関わらない分野で活動していけば問題ないというのが現状です。
勘違いされやすいですが、ライセンスはJeSU独自が発行している物であり、プロのeスポーツプレイヤーということを証明する物ではありません。

 

eスポーツのプロとライセンス保持者の違い

前述した通りプロのeスポーツプレイヤーにはライセンスは必須ではありません。

 

プロのeスポーツプレイヤーと聞くと、大会での賞金やスポンサーによって生計を立てているイメージを持たれる方が多いですが、その他にも動画配信やゲーミングチームに参加して固定給をもらったり、メディア出演、あるいはゲーム講師として生計を立てているプレイヤーもいて様々です。

 

ではライセンス保持者とライセンスを持っていないプロではどのようなメリットの違いがあるのでしょうか。

社会的信頼性が高まる

まずライセンスを保有することでの一番のメリットは、社会的信頼性を得られる事です。

近年メジャーになってきたeスポーツですが、まだまだ職業としての認知や信頼性は低いのが現状です。

 

ですが、ライセンスを保有する事によって信頼性が高まり、仕事のチャンスが広がります。
実力やブランディングによってはスポンサー契約を結んだり、大会では高額の賞金を得られるチャンスが巡ってくることもあります。

 

日本では景品表示法に抵触してしまうという観点から、高額の賞金が得られる大会の開催が難しいとされています。
しかしライセンスを発行することで、「賞金」を「報酬」という形で受け取ることができます。
その為、大会の賞金で大きく稼いでいきたいと思ったらライセンスは取得しておくべきでしょう。

国際大会に日本代表として出場可能

2つ目のメリットとしてJeSUが主催する国際大会に日本代表として出場する権利が得られます。

またはJeSUが窓口になって委託する国際大会にも出場可能です。

国際大会になると賞金は国内の大会に比べて高額になるので、メリットと言えます。

 

注意点としてはJeSU公認ではない大会など、一部ではライセンスは必要ない大会もあるので全ての大会が対象ではないという事です。

チームの中にライセンス保有者がいれば大会へ出場可能

 

通常ではライセンスを保有していなければJeSU公認の大会への出場が認められませんが、チームとして大会に出場する場合、チームの中にライセンスの保有者がいれば出場が可能です。

 

又eスポーツの大会はほとんどがチーム戦ですし、賞金獲得の権利も有するので、メリットは大きいです。

 

日本でeスポーツプレイヤーとして活動する上でJeSUとの関わりは必須なので、チーム内にライセンス保有者がいると様々な場面で恩恵を受ける事が多いでしょう。

 

eスポーツのライセンスの種類

eスポーツライセンスは3種類あります。

・ジャパン・eスポーツ・プロライセンス

・ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス

・ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス

 

ライセンスの取得からの有効期限は2年となっています。更新時にはeラーニングによる講習や更新費用が必要です。
ではこの3種類にはどのような特徴や違いがあるのでしょうか。

ジャパン・eスポーツ・プロライセンス

最も一般的にeスポーツのライセンスとして認知されている物です。対象者は満15歳以上で義務教育過程を修了している人になります。

又、満20歳未満へライセンスを発行する場合は、親権者の同意が必要となります。

ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス

ジュニアライセンスは満13歳以上15歳未満の人が対象です。ライセンス取得には親権者の同意が必要で、大会での賞金の受け取りが出来ないという制限があります。

ジャパン・eスポーツ・チームライセンス

こちらは国内の法人によって運営されているチームに発行されるライセンスです。

チーム内のメンバーがライセンスを所有している必要はなく、あくまでチームに対して発行されるライセンスになります。

大会での賞金は運営法人に支払われ、基本的には法人とメンバーで分け合う形になります。

 

eスポーツのライセンスをとる方法 

ライセンスを取る一般的な方法は、JeSU公認の大会において優秀な成績を収め、最終的にJeSUがプロにふさわしいと判断した者にライセンスが発行されます。

例外的に、JeSU公認の大会以外で著しく優秀な成績を収めた場合、推薦枠が設けられる場合があり、ライセンスの取得資格を得る事が出来る場合があります。

 

流れとしては、JeSUの関係者がJeSU公認の大会で優秀な選手の成績を見て「プロライセンス発行にふさわしい」と判断した選手にライセンス発行の勧誘をしていきます。

勧誘を受けた選手は、ライセンスの発行を承諾するか拒否するかを判断します。

もちろん拒否する事も可能で、ライセンスがなくても活躍しているeスポーツプレイヤーは沢山いますし、自分の理念に基づきあえてライセンスを取得しない選手もいます。

 

ライセンス取得を承諾した選手は、必要書類の提出、手数料の支払い、eラーニングによる講習の受講を済ませ、諸々の手続きが終われば契約となります。

基本的には「国籍は問わず、日本在住者」を対象としており、ライセンスの発行数は1大会において、総参加者の約1〜2%だと言われています。

 

まとめ

今回はeスポーツのライセンスについて解説しました。世界的にもeスポーツは盛り上がりを見せており、今後も人気が高まってくると思います。

 

それに伴い、プロのeスポーツプレイヤーを目指す方もどんどん増えてくると思いますし、ライセンスの在り方も時代と共に変化していくのではないでしょうか。

 

eスポーツは今後も注目の分野であることは間違いありません。

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